京都光華女子大学健康科学部健康栄養学科 さいとう研究室

京都光華女子大学健康科学部健康栄養学科 さいとう研究室

研究内容

本研究室では、現在 主に3つのテーマについて研究を進めています。

1. 管理栄養士養成課程学生における食品重量見積もり精度向上のためのトレーニングツールの開発とその検証

 食事調査において食品の目安重量を把握し、適切に栄養素等摂取量を推定することは管理栄養士にとって重要なスキルとされています。しかし、管理栄養士養成課程の学生にとっては食品重量の見積もり経験が十分でなく、卒業直後に食事調査から適切に栄養素等摂取量を推定することは難しいと考えられ、管理栄養士養成課程学生にはトレーニングが必要です。先行研究では、繰り返しトレーニングを行うことで食品重量の見積もり精度が向上するとの報告や、デジタルカメラ、パソコンなどのデジタル機器の普及に伴う写真画像を用いた食事調査の実施が報告されています。最近では、スマートフォンやタブレット端末が広く普及し、今後、写真画像を用いた食事調査の実施は更に増加すると予想されます。

 そこで、本研究では、簡便かつ繰り返し訓練が行える管理栄養士養成課程学生における食品重量見積もり精度向上のためのトレーニングツールのシステムを開発しています。

 現在、トレーニングツールの使用によって食品の重量感覚が醸成されるか、また、料理に含まれる食品の重量を推定できる新たなシステムの開発に取り組んでいます。
 トレーニングツールの詳細は、こちらをご覧ください。

2. 若年女性における味覚及び食事摂取状況が生活習慣病リスク要因に及ぼす影響

 近年、味覚障害の患者が増加しています。味覚障害は、神経異常やがん患者、服薬治療などの全身疾患で生じることが報告されており、高齢者や味覚障害の患者においていくつか研究報告されています。しかしながら、若年者を対象とした研究は少ないです。女子大学生の食生活状況は、痩身願望や不規則な生活習慣による朝食の欠食など、生活環境の変化に伴い食事摂取状況が著しく変化する時期であり、精神面や健康面への影響も懸念されています。そのため、若年期から自身の味覚感度を認知し、味覚の識別能を適正に維持していくことが重要であると考えられます。

 本研究では、女子大学生を対象として、テーストディスク(三和化学研究(株)味覚検査用キット)を用いた味覚検査と食事摂取状況、ストレス状況、生活習慣に関する調査を行い、それらが味覚にどのような影響を及ぼすか検討しています。

 本研究は、他大学との共同で研究を行っています。

3. 若年女性における食品表示確認の有無が食行動に及ぼす影響

 近年、わが国の食事において中食が食卓に出現する機会や外食する機会が増加しています。栄養バランスや添加物について示されている食品表示は、健康の維持・増進を目的としており食品表示を見て食品や外食を選ぶ習慣を身につけることが大切であると考えられます。しかしながら、食品表示においてエネルギー以外の確認については5割を下回っているとの報告もあり、消費者に食品表示の活用が十分に普及しているとは言い難い状況です。こうした中、食品表示法が2015年4月に施行され、消費者にとって食への意識を高める機会となっています。食品表示を見て適切に食品を選択する習慣を身につけることは、食の外部化が進む中、とりわけ重要と言えます。しかし、近年の若年女性においては痩身願望や朝食欠食の割合が高く健康上の課題が散見されます。

 本研究は、若年女性を対象として食品表示の活用と食行動及び食事摂取状況との関連について現在、調査研究を進めています。

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〒615-0882
京都市右京区西京極葛野町38
京都光華女子大学健康科学部健康栄養学科

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075-325-5221(代表)

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